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礼文島のさざ波−１ |
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礼文島のさざ波−１ |
2003-10-05-1 礼文島のさざ波
礼文島の大地に 静謐な町並み人の温もり 豊かな自然の恵み 春とともに花びらが 島を駆けめぐる 北のスコトン岬 神秘な久種湖 岩峰の礼文岳 人それぞれの楽しみを 胸に秘めて来ると 礼文の光来が漂っている ２００３年７月２７日 稚内港のターミナルに午後４時ごろやって来た。乗り場で明日の時刻を確認してから、稚内公園の墓地で水をペットボトルに入れてトイレのある駐車場に愛車を止めたが、風が強く寝るのに不適当と思ってその付近にあるもう一つの駐車場に愛車を止めた。建物があるため風が遮られていて平坦な舗装の駐車場であ。 明日は礼文岳に登ってから８時間コースを歩く予定で、何処にテントを張るかこの時は決めていなかったが、明日の朝と昼の分の御飯を炊いておかずを作った。眠りについている時、雨の音が聞こえてきた。 「あー礼文島は雨かなーー」 朝になったら雨は止んだが風はまだ強かった。朝食済ませてから稚内港に愛車を走らせた。指定された駐車場に愛車を止めてザックを背負ってターミナル（待合室）に入った。窓口で切符を買う時、ザックの荷物はいくらか聞いたら自分で持ってフエリーに乗れるなら荷物代はとりませんと言われた。 出港までの時間（６：２０発）にもてあましてぶらぶらしていたら 「アンケートに協力お願いします」 と言われてアンケートに答えてから暫くしてから出港口に並んだ。小生の前に並んだ人が自転車に取り付ける四輪のミニカーを持ってきていた。 「これ持っていくんですか テント一式かな」 と言いながら話をしていたら列が動きだしたら彼が 「すみませんこの荷物持っていただけませんか」 と言われて快く引き受けて荷物を持って歩き始めた。彼はミニカーを両手で抱えて船に乗り込んだ。 船内に入ってザックを下ろしてキョロキョロしていたら彼が 「あちらの方が空いています 行きませんか」 と言われてついて行った。なるほど奥の為か空いていた。そのうちに彼の奥さんと娘さんがやって来た。一人で来ていたのかと思っていたが違っていた。荷物を持ってもらったと話されて奥さんに礼を言われた。 ザックを置いた隣で小生と同じような大きさのザックを置いていて礼文島の地図を広げて見ていた人がいた。 「山に登るんですか」 「４時間コースのスコトン岬へ花を見に行くのです」 「礼文島へ行く人で、山に登ったりする人は意外と少ないね」 と神奈川県から来た人と世間話をして香深港に着いた（８：１５）。 船を降りてからバス乗り場に行って時刻表を見たら８：１３に出発していた。 「どうでした」 「もう出てしまっていました フエリーは８：１５に着いてバスは８：１３に出発するとはおかしなことだなあ」 「普通の路線だったら客は怒るよ 前にも一度礼文に来たので交通便が悪いと思っていたから」 小生はブツブツ言いながら次のフエリー（９：２５）が到着してから暫くして９：４２のバスに６人程度乗った。 バスの運転手に登山口の［起登臼］で下ろしてもらうように頼んだ。 「あのコースあんまり歩かれていないからなー」 「ほら あそこの所を登っていけば良いです」 と言われてバスから降りて運転手に言われた道を登って行った。 ほんの少し登りだしたら草藪になって低い木が多い繁って道が不明確であった。酷い道だなあ、こんなに礼文岳に登られていないのかなと思いながら歩いた。笹藪や草をかき分け露で濡れながら歩いていると、道にウンコやペーパーがゴロゴロとあった。 「なんで 登山道にウンコするんだ 頭にくるなー」 とぼやきながら沢山のウンコを避けながら歩いたら道が簡単なクサリのゲートになっていた。それを横切って振り返ったら進入禁止の看板がぶら下がっていた。
Ｔの字の分岐で一休みしてから立派に整備された登山道を登って行った。ガスっている尾根に入ってピーク着いたらまだ先に山が聳えていた。そこに四国から来られた夫婦が休んでいた。挨拶を交わしてから足早に１０分歩いて礼文岳490mに着いた。写真を撮ったりしてから長袖を着こんでいたら四国の夫婦も山頂に到着した。 彼にビールをいただいて飲みながら、霧に包まれる礼文岳で時間のたつのも忘れて話も弾んでいたがバスに乗る時間が決まったいるので別れを告げて足早に下った。 今この礼文岳は霧雨に包まれている わけもなく霧雨は人々の心に 耐えて生き抜く草木の幹に 涙を垂らして冷たい香りを誘っている 礼文島が誕生して生命が宿り 礼文岳が生まれ幾万年も過ぎ去り ここに素晴らしき光景が訪れている 礼文岳よ霧雨に濡れて何を語って 秋を迎えようとしているのか 霧雨は訪れる者を露に誘おうとしている いまこの頂きは冷夏に包まれている わけもなく冷夏は登る人々に 花咲く実る草木に忍耐を与え 温かい太陽を待ち受けている 日本の北の頂きに草木は 人の世の前から花を咲かせて 生物の楽園が訪れていた 頂きよ日の光が遮られて 眠りにつこうとしているのか 頂きは訪れる者を無言で迎えようとしている いまこの岩峰は礼文島に包まれている わけもなく虫たちが花の蜜を求めて 礼文内をかけて走り回り 明るい日の矢を運んでいる 岩峰は崩れても飛ばされても 大地に根を張る草木に守られながら 美しい自然を保ち続けていた 岩峰よ雪風雨に耐えて 粘り強く張りついているのか 岩峰は訪れる者を無心に見送ろうとしている 登山途中でスレ違った２人の中高年の女性を追い越してバス停に着いた。彼女らは香深方面に行きたいがバスの時間はかなり先なので、通りがかりの車に手を上げていたが一台も泊まってくれなかった。 「何回やっても駄目じゃないの」 「誰かは乗せてくれるかなと思っているのですけれど」 「若い女の子でも手を上げれば止まるかな」 と冗談を言ったりしているうちに小生が乗るバスが来た。バスに乗って見ると全員がじいちゃん・ばあちゃんばかりであった。バスの運転手にキャンプ場で下ろしてくれと頼んで入り口で下ろしてもらった。 キャンプ場で手続きを済ませて［礼文島到着証明書］のはがきをもらって何処にテント張るか見て回った。曇り空で風邪が強いのでなかなか思うような場所が見つからなかったが、街灯の下で程よいところがあったのでテントを張るかなと用意をしていたら神奈川県から来た人がこちらに向かって歩いてきた。手を上げたらびっくりして 「あれ礼文岳に登ったら浜中から８時間コースを歩くのではなかったのでは」 「そう思ったのですが水が必要ですし」 「水ならコースの途中であったのに 言わなかったからなー」 と話をしながらテントを張った。彼のテントは偶然にも小生の隣に張られていた。彼は久種湖（くしゅこ）で釣ってきた魚を炊事場へ持って行って料理していた。 テント内に荷物を入れてから整頓してから炊事場に行ったら管理人が 「その魚何処で釣ってきたのかな」 「そこの久種湖で釣りました」 「１０年程昔そこの建物の会社で薬品垂れ流ししたことがあり問題になり地元じゃ誰も久種湖の魚は食べないよ」 「九州のミナミマタ病のようなものですね」 「さかな釣りたかったら良い所 教えるからー」 と言われて彼はせっかく料理した魚をシブシブ残飯箱に持って行って入れた。 小生はこれからオシヨンナイ山に登ると管理人に話したら 「あそこは今、自衛隊の建物が出来ていて入れないよ」 と言われてしまった。とにかく近くまで行ってみて駄目だったら久種湖を一回りしてくると言ったら 「カラスが沢山いるから気をつけて 襲ってくるときあるから」 簡単な支度で出かけた。途中で柳の枝の切れ端を手に持って久種湖の南側を歩いてオシヨンナイ側に道があるかなと探したが見つからなかった。北側に一本の道があったので登ったら６匹のカラスの死骸が転がっていて悪臭が漂っていた。送電線に電流が流れていてそこにカラス触ったため死んだのであろう。 礼文町小学校開校百周年記念碑を見ながら病院を通りすぎて小高い丘からスコトン岬方面や久種湖方面を眺めてからキャンプ場に帰った。丁度彼も魚の釣れる所に案内してもらったようである。 「この川で釣れば良いと言われたのだが、民宿の人は釣ってもらいたくないなーと言われた でもよーし 明日は釣りに行くぞ」 と張り切っていた。 暫くしたら函館の大学生二人組がかなり大きな魚を釣ってきた。どうやって料理したらいいのか分からなかったので 神奈川県の彼に聞きに来た。 「魚というものは釣られたら腐らさないで食べられるのが釣り人とっての魚への供養なのだ」 「もし持って帰るなら腸を取って味噌を入れて笹で包めばかなりもつな」 と彼は熱弁を振るっていた。 大学生達はそこで料理して食べることにしたようで言われたおじさんのテントに行って炭火を使用させてもらうよう頼みに行った。それから調理場で料理をしていた。 不慣れなのかいつまでも時間がかかっていたのでおじさんが 「おおい いつまでしてるんだ 炭が灰になってしまうぞ」 とはやし立てられて彼に出来たのから焼きなさいと言われていた。 昨日の残りの弁当に味噌と水を入れて餅も入れて煮込んで食べた。近くの酒屋で焼酎を買ってきてコーラで割って飲み、風が吹きつける音とカラスの声を聞きながらいつのまにか眠りについた。
誰かがこの久種湖に来ようとしている 銀色に輝く冷たく感じる久種湖よ カモメが集団で飛び交い カラスも群れを作って当たりを見回す 恐れをなして水底泳ぐ魚たち 自然の冷たさを見せつける久種湖よ 誰かがこの久種湖を見つめている 夕暮れがこの久種湖に訪れようとしている 冷たい夕日の色に染まっている久種湖よ 北の風の流れ波に葦は揺れて 隠れ蓑に小鳥たちは静かに 明日の夜明けを待ちわびて 自然の生きる姿を見せつける久種湖よ 夕暮れがこの久種湖を照らしている 眠りがこの久種湖を月光にしようとしている 厚い雲に覆われて風を誘う久種湖よ かけていた今日の雲も流れて 遠くから明日の雲がやってきた 全ては湖水の天蓋に守られて 自然の流れを見せつける久種湖よ 眠りがこの久種湖を静かにさせている |
