 18 |
癌切除手術への道程［09］ |
18 |
癌切除手術への道程［09］ |
６月１０日（水） ●手術が終わって 朝になって看護士さんが来て窓際にセットされているラジオをかけてくれた。背中を右にしたり左にしたりしてもらって、酸素マスクも外され、昼頃に「歩きましょう」といわれて立って点滴の棒を持ちながら歩いた。歩くことは大丈夫だったが、お腹の痛みや突っ張るような圧迫感が厳しかった。また、ベットに横たわって本を読んだりラジオを聞きながら耐える時間を過ごした。暫くして男女混合の部屋(２１１号室・南２Ｆ)へ移動した。ペットボトルの水を飲む許可がでて飲み始めた。ところが、胃腸がゴロゴロと動き始めてお腹に伝わって悲鳴をあげたくなるほど痛みが感じた。あー飲みたくないなあ・・・・。声がかすれていた。 「謳歌かと されど苦しみ 悶えかな」 「手術し 痩せて疲れて 梅雨の室」
６月１１日（木） ●昔の会社の人が同じ病室に ４Ｆの４０８号室の窓際へ移動した。同じ窓際のベットには６３歳でタバコの吸いすぎで肺ガンとなって抗ガン剤治療で滝沢さんが入院されていた。お互いにお話をさせて頂いたところによると、私と同じ富士通長野工場のプリント板事業部に在籍していた。互いに相手は分からなかったが次第にうすうすと分かってきた。セラミック基板の開発に携わっていた滝沢さんで課長部長となり他の現場へ移動となってから私がセラミック基板の安定化の部署へ移動したので直接に面識はなかったようだ。私より一つ年上の滝沢さんを思い出せば お顔は時々拝見していたことが分かってきた。 水を飲み始めてから、一日過ぎたころから、数十秒感覚でお腹が張って痛みが襲ってきていた。特に夜は一定感覚に襲ってくる痛みで寝不足となった。あー我が人生苦痛の連続なのかな・・・・。 「瞬げば 同類の友 苦し梅雨」 「夕立や 手術後いたむ 雨の音」
６月１２日（金） ５時３０分頃に看護士さんが気が付いて一時的人工肛門・ストーマの袋からホースをつなぎ大きな入れ物につなぎ、黒っぽい水のような液体が小腸からスムーズに流れて良くなったら定期的に一定感覚に襲ってくる痛みが無くなった。どうやら小腸からガスが発生して袋がパンパンに張ってガスの行き場がなくなり小腸が膨れてお腹にビンビンと響き痛みが伝わっていたようだ。あー ホットした・・・・・。 お昼から食事が出た。［術潰５分（３回）５分粥、牛乳禁止］水っぽい食事であったが５分粥は三分の一程度しか食べられなかった。この食事後から薬を飲むように指示された。食べた後に腹が張るような痛みが増してきた。１時間以上過ぎたら徐々に良くなってきた。数日間は食後に同じような表情が続いていた。また食事後に数時間して下痢となった。１４時２０分に人工肛門・ストーマの袋を看護士さんが交換した。 ＊朝・昼・夕食後に服用する ①ミヤＢＭ錠、１個・・・腸内細菌の異常による病状を改善し腸を整える ②タンナルビン（タンニン酸アルブミン）１個・・・腸に働いて下痢を止める １６時に運動のために４階の休憩室へ行ったら飯山在住の一人の女性が話しかけてきた。主人は６８歳で４０年もヘビースモーカーで肺ガンで、食も細くなってもう少しであの世へいきそうだと話しくれた。病院内のさまざまな人達の交わりの中で、生きて生かされて生き抜いて死を目前に迎える人々の様を伝わってくると、何時か自分にも近い将来に訪れるであろう死の世界が容赦なく襲ってくる気配を感じさせられた。 「梅雨の日に 御霊(みたま)さまよう 癌やまい」
６月１３日（土） 下痢が続いていたので夕食より薬の種類が一つ増えた。③ロペラミド塩酸塩カプセル１ｍｇ。これを服用したらその後は下痢から、うんちは柔らかめに変化した。 「明けて暮れて 下痢の小腸 いたわりへ」 「瞑(めつむ)りて 梅雨に癌さり 健を聞き」
６月１４日（日） １１時４０分に人工肛門・ストーマを看護士さんが交換したがパジャマなどが汚れてしまった。今日の昼食から［膵５分１２００Ｆ１０ｇ（脂質１０ｇ）・５分粥］に変更された。１３時には点滴が止められた。また暗くなることろに点滴が始まった。 「病室に 雷響き 腹痛む」 「病夜に ひた来る梅雨の 看護かな」
６月１５日（月） ７時に看護士さんが人工肛門・ストーマの袋を交換したが、液漏れが発生してパンツが汚れた。昼食より［膵全粥１２００Ｆ１０ｇ（脂質１０ｇ）・全粥２００ｇ］に変更された。昼食より③ロペラミド塩酸塩カプセル１ｍｇが二粒になった。１３時４０分に点滴が止められ針も外された。針の外れた所は赤く腫れていた。排便の処理は１２時ごろから自分でやるようになった。 「馴れぬ手に ストーマ触れての 梅雨の辺と」
６月１６日（火）～１７日 高山村在住の７８歳・黒岩さんが胃癌手術へ運ばれて行った。その後一度も会っていない。手術前はあんなに元気であったのにどうしたのだろうか？。毎日２回腕に注射されていたがある日注射されたところがかゆみが発生した。数日間は治らなかった。妻ともに個室で栄養指導があった。今日の昼から［膵米飯１２００Ｆ１５ｇ（脂質１５ｇ）・御飯１５０ｇ］に変更された。それからの食事は退院するまで変わらなかった。 「病室は 癌の寝床の 梅雨の花」
６月１８日（木） 手術後から咳などをするとお腹に響き痛みが襲ってきていたが、今日からはそんな痛みは感じられなくなっていた。９時４０分に左のお腹に管が入れられていたのが外された。臍のバンソウコも外された。１１時に看護士さんが人工肛門・ストーマの袋を交換した。今日の夕方から毎日食前に持ってきていた薬を自分で管理して飲むようになった。①ミヤＢＭ錠は２回飲んでから服用停止となった。その後は一時的な人工肛門が取り付けられている限り下記の薬は飲み続ける。また便秘ぎみになった場合は自分で薬の服用の調整をせよとのことであった。 ②タンナルビン（タンニン酸アルブミン）１個・・・腸に働いて下痢を止める (他の医療機関で受診する場合は、このお薬の名前を医師または 薬剤師に必ず伝えてください、牛乳アレルギーのある方は 主治医または薬剤師に伝えてください、日の当たらない所に保管してください) ③ロペラミド塩酸塩カプセル１ｍｇ二粒・・・腸に働いて下痢を止める (眠気やめまい等をことがありますので、車の運転や危険のともなう 操作等は控えてください、水または白湯で飲んでください、 事前にカプセルをはずしたり口の中で砕いたりして飲まないでください) ■人工肛門・ストーマの袋の交換に使用するものの用意 （退院後～人工肛門の撤去の日までのもの） ＊須坂病院の売店にて看護師さんに指示されて妻が買った ３Ｍ Ｃａｖｉｌｏｎ、皮膚用リムバー・・・・・・・・・・・・・一つ１０８０円 （用途、ストーマ装具類及びサージカルテープ類の剥離） ＊Kao品ビオレＵ_Blove泡ハンドソープ（薬用・殺菌・消毒） 看護士さんが用意した、お金は後日の病院支払い・・・４３４円 ストーマを剥がした所を丁寧に洗うのに使用するもの 本日の日経に米「トランス脂肪酸」禁止、の記事が載せられていた。米食品医薬局は２０１８年以降、心臓疾患のリスクを高めるとされる「トランス脂肪酸」の原因となる油の使用を原則認めないと発表された。日本でも山崎製パンなどが削減を進めるという。日本の食品メーカーの対応が遅すぎるような気がする。特に山崎製パンは他の面にたいしても酷すぎる嫌いがある、まあ山崎製パンのパンなどを食べなければ問題はないだろう。 「梅雨寒や 腸もさわぎて 病ベット」 「梅雨とても 花も咲かぬの 病の床」
|
